今日は雨が降ったり止んだり。すっかり梅雨ですね。
昨日に引き続き、16日のファーストアルバム発売記念演奏会で私が使う楽器の紹介です。
今日はトラヴェルソです。
このトラヴェルソもウィーン美術史美術館に保存されている楽器を基に、作られたものです。
こちらはオリジナルの楽器には製作者のものと思われる名前が刻印されており、17世紀のリヨンの楽器製作者である、「Lissieu」という人の手による楽器だとされています。
(私はリヨンに留学していたので、勝手に親しみを覚えています!)
元々16世紀までのトラヴェルソは継ぎ目のないものが普通でしたが、おそらく時代が進み、リコーダー等と同様に、17世紀にはこの楽器のような継ぎ目のある楽器が作られるようになったみたいです。Hotteterreの楽器や18世紀の新しいタイプの楽器よりは継ぎ目が少ないですが、そこへ至る途中経過を感じさせる形をしていますね。
継ぎ目の役割としては、分解すると持ち運びが便利になるのはもちろんですが、音程を調節しやすくなるという側面もあります。(17世紀の某音楽理論家もその著作の中で、音程のためにこの手法で楽器を作ることを提案しています。)
この楽器の作り自体はルネサンスのものに近いですが、おそらくコンソート用の楽器ではないと考えられており、音色も混ざり合うというよりは、もう少し芯のあるものとなっています。
こちらのトラヴェルソの音も、CDの方でとても綺麗に収録して下さっていますが、是非16日の生演奏でもお聴き下さい!
演奏会詳細はコチラをご覧下さい。