とある笛吹きEmiの日常

リコーダー、フラウト・トラヴェルソ奏者 中島恵美の日常のブログです。

楽器紹介

今日は晴れたり曇ったり。梅雨が始まったようですね。

 

さて、今日は6月16日に発売する初CDアルバム『スプレッツァトゥーラ』で使っているリコーダーの紹介です。

 

今回リコーダーはこの二つの楽器を使っています。

どちらもウィーン美術史美術館に保存されている、17世紀頃の楽器をモデルにして作られたものです。

 

16世紀末から17世紀中期の作品をリコーダーで演奏する際、現在は「ガナッシ」タイプと呼ばれる、金属のリングが付いた、足部の穴がラッパのように広がってパワフルな音の出るリコーダーが使われることが多いです。

しかし、「ガナッシ」リコーダーは元々、17世紀からは少し時代が離れている、16世紀初期のS.ガナッシによる教本『フォンテガーラ』に描写された指使いや音域を持つリコーダーを実現しようと作られたもので、現存する歴史的楽器の忠実なコピーというより、現代の発明品とも言える楽器です。

「ガナッシ」リコーダーは、今回録音に使った楽器と比べると、音量やパワーは素晴らしいのですが、逆に繊細な表現をするのは難しいです。

 

どんな楽器を選んで演奏するかは、最終的にはそれぞれの奏者が決めることなので、そこに正解や不正解はありませんが、せっかく修士論文でもこの話題を取り扱ったので、私は今回の録音では17世紀のモデルの楽器を使うことにしました。

 

イタリア語でリコーダーは「フラウト・ドルチェ」、甘いとか柔らかい音の出る笛、という意味になりますが、今回使用している楽器は、そのニュアンスを良く感じさせてくれるものだと思っています。

 

6月16日の発売記念演奏会では生の音を聴けますので、是非この機会に体感して頂けましたら嬉しいです!

演奏会詳細はコチラをご覧下さい。