とある笛吹きEmiの日常

リコーダー、フラウト・トラヴェルソ奏者 中島恵美の日常のブログです。

練習時間

レッスンの時に何人かの生徒さんに聞かれたことがあるのは、「先生は一日にどのくらい練習するのですか?」という質問です。


確かに音楽家は一日に何時間も練習しているイメージがあるかもしれませんが、現在は毎日○時間練習する!という決め方はしていません。その時に必要な練習内容によるので、時間はまちまちです。


そういう意味では、芸大を受験する際は、時間を決めて、一番長い時間取り組んでいたように思います。音大を受験する人だと、楽器によっては一日8時間くらい練習してる方もいたようですが、木製のリコーダーは長時間演奏しすぎると割れる危険性があるので、一回の練習は2時間までに留めて、時間をおいて、毎日午前中に2時間、夕方に2時間、とか練習していました。


芸大に入ってしばらくは、練習のペースを掴むのが難しかったです。受験生の頃とは違い、結構早いペースで、週一回のレッスンのためのソロの曲、それとは別でアンサンブルのための曲など、新しい曲をどんどん仕上げる必要が出てきたので、少ない時間でも上手く出来るよう効率が求められました。この経験のお陰で、割と短い時間の練習でもそこまで問題無くなったように思います。


個人的な感覚としては、古楽はアンサンブルも多く、自分一人でさらって作り上げすぎると、自分は良くてもアンサンブルとしてうまく合わなかったりします。私はその場で相手と一緒に作り上げていく方が好きなので、できるだけアンサンブルはさらい過ぎないように、となりました。


芸大では短時間の効率的な練習には慣れましたが、リヨンに行ってからは、練習の時間こそ増えていませんが、内容のバラエティが増えたように思います。また練習以外にも、授業や自主的な集まりで、演奏に関連した資料を調べて試すことも多かったので、練習と同じかそれ以上に座学や調べ物の時間は増えたように思います。これは古楽ならではかも知れません。

 

学校を出た後だと毎週レッスンがあって曲を仕上げる、というようなこともなくなったので、演奏会があればそこで弾く曲をさらったり、特に無ければ初見や基礎練をしたり、単に自分のやってみたい曲を仕上げてみたりしています。今は毎日練習しているわけでもなく、練習しない日もあります。ある程度練習してから1日くらい楽器に触れないでいると、脳が勝手に仕事してくれているみたいで、次の日に改めて弾くと、前はうまく行かなかった箇所もうまく行ったりします。なので少し間を空けるのも案外、根詰めて練習しすぎるより効果的なことがあります。

 

私個人の意見ですが、多分初心者のうちはある程度時間を取って、出来るだけコンスタントに練習することは効果的だと思いますし、上達するうえで大事だと思います。でもある程度上達したら、「一日○時間さらうぞ!」という時間よりも「何を練習するか」の内容の方が大事になってくると思います。あとは自分が演奏するばかりではなく、上手な人の演奏をよく聴いてみるとか、そういう経験でも、上達するための感覚が鍛えられるのではないかと思います。

 

ここに書いたのはあくまで私のペースや考えですが、この辺りは演奏家さんによってだいぶ方法や考え方も違うと思いますし、個人差がかなりあると思います。なので、これはあくまで参考程度にしていただいて、是非自分が楽しく練習できるペースを見つけてみて下さい!